老舗セレクトショップへの転職をしたいけど、実際のところどうなんだろう?
転職をするにあたり色々と不安を抱えている人もいると思います。
今回は、国内の老舗セレクトショップはどういう人が働きやすいのかというのを10年の社会人経験から調査・分析してみました。
企業研究を行う目的は、転職後に起こる「ミスマッチ」を減らすことが目的です。
情報は、公式サイト・ネット・テレビ・雑誌などのメディアを元にしています。
これらの情報をそのまま信じるのではなく、信じるに値すると判断したものをピックアップします。
老舗セレクトショップ企業研究
口コミサイトでは、人間関係において各社ネガティブな意見が少ないように感じました。
人それぞれ相性が合う合わないがありますが、社会人として自分が苦手とする人であってもちゃんとコミュニケーションをされている方達が多いと感じました。
ユナイテッドアローズ
セレクトショップとしては、唯一の株式公開企業で東証一部に上場している「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」。
元ビームス1号店の店長だった重松氏が、アパレル大手ワールドのバックアップを受け、ビームスからバイヤー30名を引き連れ離脱し1989年に設立した会社です。
知名度・安定・福利厚生など、大手企業に求めるものが揃っています。
募集要項には「求める人物像」が記載されており、入社前後のギャップを減らす配慮がされているように感じました。
ユナイテッドアローズは、接客を非常に大事にしているようで、販売員の接客対応が丁寧で素晴らしく、さらに企業理念がしっかり社員に浸透しているように感じました。
ここからは想像になりますが、これだけしっかり教育されていると良い人が多いのではないかと感じました。
なぜこのように思ったかと言うと、宝塚歌劇団の方達は音楽学校で厳しいレッスンや礼儀作法などを学びます。
宝塚歌劇団の方達すべてを知っているわけではありませんが、人として出来た方が多いように感じます。
仕事をする上で人間関係の悩みはつきものです。
「人」に関しては、相性もありますし入ってみないと分からないところもありますが、しっかり教育がされているかをチェックしておくことは重要だと感じます。
ビームス
セレクトショップの代表格のひとつ「ビームス(BEAMS)」。
1976年、ビームス創業者が現ユナイテッドアローズ会長で創業者を店長としてアメリカ西海岸のカジュアル衣料を輸入したのが始まりです。
公式サイトの採用情報を見て、ビームスは自由で明るい社風という印象を受けました。
(「自由」といっても組織の一員なので、好き勝手できるわけではありませんが。)
キラリと光る何かを持っていて、自分をアピールできる人に向いていると感じました。
上司との面談の機会もあるようなので、アピールしたり自分の要望を伝えるチャンスは用意されているようです。
ビームス社長の言葉に「努力は夢中に勝てない」というのがあります。
このことから個人の趣味や知識を仕事に生かすことができたら良いかなと。
例えば、ビームスではリメイクした1点物の洋服を販売している「ビームス クチュール(BEAMS COUTURE)」というブランドがあります。
自分でもリメイクしてインスタやYouTubeにアップし、インフルエンサーになれたら会社でアピールするのも良いかもしれません。
口コミサイトで人間関係について確認したところ、個性を大事にしてくれ自由な社風といった感じのようです。
基本的に会社を辞めた人が口コミサイトに回答することが多く、ネガティブになりがちですが、社内の雰囲気は良好という印象を受けました。
ジャーナルスタンダード
1977年に設立したベイクルーズ グループが運営するブランド「ジャーナルスタンダード(JOURNAL STANDARD)」。
ZOZOTOWNや楽天市場などのECサイトに頼らず、自社サイトに力を入れ売り上げを伸ばしています。
この他「エディフィス」もベイクルーズ グループになっています。
ブランド数も多く希望を出せば違うブランドへ移ることや、職種変更の希望を出すことができるようです。
店舗勤務だと個人売上の目標設定があり、結果はボーナスに反映されるようです。
プレッシャーに強く、結果を残すための努力ができる人に向いています。
ノルマがない方がいいなら他の老舗セレクトショップがオススメです。
口コミサイトでは、販売員の研修制度がしっかりしていて役立ったという意見が多かったです。
シップス
1975年、東京で創業の「シップス(SHIPS)」。
セレクトショップ御三家の1つ。
ハッチャケたことや冒険はせず、堅実に経営をしていくイメージです。
昭和的な会社ではあるが、上司とのコミュニケーションが取りやすい環境のようです。
チームワークが強みという口コミがあり、みんなで協力し頑張るようで、真面目で良い人が多い印象を受けました。
年齢層が高めのセレクトショップで、落ち着いた大人の男女に向いた職場だと感じました。
トゥモローランド
1978年に設立された「トゥモローランド(TOMORROWLAND)」。
品良く上質な商品を販売しており、年齢が高めで資金力がある販売対象者のことを理解しアプローチできる人に向いています。
自分がやりたいことや新しいことを伝えると汲み取ってくれる環境があるようです。
口コミサイトでは、人柄の良い人が多いとのコメントや、お給料に関してはアパレルの中では良いほうだと認識している方が多かった印象を受けました。
アーバンリサーチ
1974年に大阪で小さなジーンズショップから始まったのが「アーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)」。
公式サイトでは、職種や雇用形態、ブランド、勤務地、こだわり条件など細かな設定をして検索することができます。
アーバンリサーチは、若くてもチャンスが与えられる可能性があるようで、お給料は期待せず、大手で経験を積みたい20代の若い人向きかなという印象を受けました。
大手6社を比較して感じたこと
こちらでは老舗セレクトショップ6社を調査し感じたことを書いていきます。
上場企業 or オーナー企業
ユナイテッドアローズは上場していますが、その他のセレクトショップはオーナー企業のようです。
口コミサイトを見ると、家族経営とか、オーナー企業といった言葉が頻繁に出てきていました。
全国展開している大手セレクトショップなので、実際に入社してイメージしていた会社組織と違ったと感じる人もいるのではないかと感じました。
ユナイテッドアローズ以外は個人商店のような感じです。
どちらの企業形態がいいかではなく、違いを理解しておくことが重要です。
企業の10年後の生存率は1割
老舗セレクトショップは、1970年代にスタートしています。
ユナイテッドアローズの設立は1989年ですが、ビームスでビームス創業者と一緒に立ち上げをしています。
企業としてはどこも約40年の歴史があり、会社には創業者や創業時のメンバーが上層部にいます。
セレクトショップによっては、若い社員にチャンスを与えたり、意見を取り入れたりしているようですが、創業者の意見が色濃く反映され、本社・本部に意見をしても反映されないことに不満を感じている人も一定数いらっしゃいました。
自分なりに会社を良くしようと考え、意見しているところは本当に素晴らしいです。
しかし、それが受け入れられる可能性は非常に低いです。
なぜなら、創業者は40年もの長い間、会社を経営し存続させてきた実績があるからです。
バブル景気・バブル崩壊・インターネットの登場・リーマンショック・ファストファッション・ネット通販・スマートフォン・SNSなど、世の中が大きく変わりました。
「企業の10年後の生存率は1割」と言われています。
世の中がこれだけ大きく変わったにも関わらず、現在も会社が存続し続けていることはすごいことなのです。
このことから、経営をしたことがない人や実績がない人の意見が取り入れられることは非常に低いのです。
創業時から在籍するメンバーの存在
創業時から在籍する人たちは、それなりのポジションについていて幅を利かせているケースもあるかと思います。
新しく入った社員からすると「たいして仕事もできないのになんで上層部にいるの?」なんて思うこともあるでしょう。
今は「大手」と呼ばれる老舗セレクトショップでも、40年前は無名の小さなショップというところが多いかと思います。
そんな小さな会社だった頃からずっと支えてくれたメンバーを大切にしている創業者は良い経営者ではないでしょうか。
昔は知名度もなく、福利厚生も整っていなかったかもしれません。
現在でもそうですが、有名企業や大手企業には人が簡単に集まります。
しかし、いくら優良企業であっても無名だと人は見向きもしなかったりします。
もし、自分が創業メンバーだったら、会社の知名度が上がり、優秀な人材を簡単に確保できるようになり、古くからの社員をポイって捨てたら悲しくないですか?
40年という長い間には、会社にとって厳しい時期があったかもしれません。
一緒に危機を乗り越えてきたということで恩義を感じている創業者もいるのではないでしょうか。
企業寿命30年説
個人商店型 老舗セレクトショップは、世代交代の時期を迎えています。
中にはすでに世代交代しているところもあるようですが、まだ創業者が現役のところもあります。
会社の寿命は30年と言われています。
老舗セレクトショップが生き残れるのかは、世代交代が上手くいくのかというのがポイントになってきそうです。
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