パソコンやスマートフォンを使っていて気になるのが目の疲れ。
1日中スクリーンを見ていると夕方には目がしょぼしょぼしてしまい、ブルーライトカットメガネの購入を検討するという人も多いのではないでしょうか。
疲れ目対策にPC用メガネを買ってみようかなと思って、調べていたらブルーライトカット率の基準が各社バラバラだということが分かりました。
ブルーライトは目に悪いのか
ブルーライトは、テレビやパソコン、スマートフォンなどの液晶画面に使われているLEDから出ているようです。
しかし、ブルーライトが疲れ目の原因になるといった健康への影響については、科学的に解明されていないとのこと。
神奈川県がブルーライトカットメガネの調査をしていた
いろいろ調べていたら、興味深い調査結果を見つけました。
なぜか2014年に神奈川県がブルーライトカットメガネの透過率テストをしていて、商品や広告に表示されているブルーライトカット率と実際の測定値を比較調査しています。
調査対象は15銘柄。当然ですがメーカー名は伏せられています。
上記結果表から、ブルーライトカット率の基準は各社バラバラで統一されていないことが分かります。
神奈川県の調査では、以下の2規格に基づき透過率を算出し、メーカー表示と比較しています。
- 日本工業規格(JIS T 7333:2005)
- 旧・英国規格(BS 2724:1987)
調査結果を見ると「日本工業規格(JIS規格)」と「旧・英国規格」のカット率に大きな開きがあることが分かります。
例えば、上記表「NO.5」の商品は、旧英国規格が採用されており、商品には50%のカット率と表示されています。
神奈川県が測定したカット率は、JIS規格だと37.4%で、旧英国規格だと52.3%となります。
商品に表示されているカット率と神奈川県が測定した旧英国規格の数値の差は殆どなく、正しいカット率が商品に表示されていることが分かります。
しかし、JIS規格と旧英国規格では数値に大きな開きがあります。
商品にカット率50%と表示されているため、購入者は、目の疲れがかなり軽減されるのではないかという印象で購入してしまい、実際に使ってみるとあまり効果がなかったと感じるのは、メーカーがどの規格を採用しているかということでカット率の数値に開きがあることが原因かなと。
各メーカーの規格はどうなっているのか
ブルーライトカットメガネを販売しているメーカーはどんな規格になっているのか、PC用メガネで有名な「JINS」と「Zoff」を調べてみました。
JINSは「EN基準(EN ISO123112-1:2013)」
JINSのPCメガネは「JINS SCREEN」へ名前が変わっていました。
ブルーライトカット率の基準となる規格の変更もあったようで、現在は「EN基準(EN ISO123112-1:2013)」というのを使っているようです。
以前の「JINS PC」時代はどんな基準を使っていたのか調べたところ、「旧英国基準BS2724:1987」を使っていたようです。
画像 赤矢印のところに小さい文字で以下のような説明があります。基準によってかなりの開きがありますね。
黒子のバスケ x JINS PCのブルーライトカット率は45%となります。(旧英国基準BS2724:1987に基づく)
※EN ISO12312-1:2013に基づく数値の場合、カット率は25%となります。
Zoffは表示がない?
Zoffは基準に関する表示が見当たりませんでした。
規格が統一されていないので分かりにくい
ブルーライトカットメガネを使って効果を感じられなかったという主な原因は、メーカーの表示が誇張されているケースと、カット率の規格が統一されていないためではないかと感じました。
神奈川県の調査結果には、メーカー名はありませんが、価格帯と規格が案内されています。
購入しようとしているメーカーの規格と価格を調べて、調査結果と比較すると、どの程度カット率がかけ離れているかということや、基準によってカット率の違いが分かるので、購入前に参考程度であっても見ておくと、実際に使ったときに「効果がなかった」と感じることが少なくなるかもしれません。